指揮にアレクサンダー・テクニークを活かそう

アレクサンダー・テクニーク

先週の保科指揮法クリニックの興奮がまだ冷めないところです。

保科先生にいただいた指揮の動きに関するアドバイスの数々を思い出してみると、本当に洗練された保科指揮法を凝縮してしっかり教えていただいたように感じています。

改めて思い出してみても、幸せな時間でした。

今回の教えをアレクサンダー・テクニークに基づく体の使い方の視点で捉えたときに、理にかなっていることばかりで感動を覚えました。

 

とにかく保科先生の動きが洗練されているのです。

もっと率直な感想をいってしまうと、保科先生超かっこいい…!惚れ惚れしました。

 

保科先生の教えを『指揮者のためのアレクサンダー・テクニーク』という視点で分析して記しておきます。

手ではなく棒先で表現すること

アレクサンダー・テクニークでも大切とされている「リーディングエッジ」の考え方そのものです!

  • 奏者から見た時に、とにかくわかりやすい
  • 自分のエネルギーを最大限に使うことができる
  • 棒先で表現することで、繊細な表現でもより明確に指示が伝わる

今までは、繊細な表現や明快な指示のために、棒先の意識が必要だと思っていました。

でも実は指揮自体をより大きく見せるためにも重要な要素だと今回気づきました。

「棒先で図形を描く」ことをしていくと、指揮に関するいろんな課題が一度に解決していく可能性があります。

そして、より繊細な表現からよりダイナミックな表現までメリハリのついた表現ができるようになるのです。

 

無駄な動きをやめて、意図のある動きを洗練させること

  • 相手に明確に意図を伝えるために、徹底的に無駄を削ぎ落とす【メリハリ】
  • 伸ばしの音で拍をしっかり振ってしまうと、そこで音楽の緊張感がなくなってしまったり、奏者を拍で縛ってしまったりする【音楽の自由度】

棒先で表現していくことをやり続けていけば、動きが洗練されていくと僕は理解しました。1つめと2つめは同じところにたどり着きそうです

奏者と自身が持っているテンポ感を信頼すること

  • テンポの持っている慣性と、奏者がもっている感性を信頼する【信頼】
  • 指揮者はテンポを一生懸命出すのではなく音楽がもっている慣性を信頼して、それを変化させる時にエネルギーを使う。

 

信頼する という部分がとても大切だと感じました。

アレクサンダー・テクニークの観点でも「信頼する」というワードはとても重要です。

本来、奏者がもっているものを信頼し、それとともに音楽をしていくこと。

信頼できず、指揮でなんとかしようとすると、それが動きにもあらわれてきます。

なんとかテンポを守ろうとし、ガチガチになっていると、奏者から見た時に柔軟性がなく、音を出しにくいと感じてしまったり、無駄な動きになってしまっていたり、指揮をする上で不必要な力を使ってしまうことにつながることがあります。

 

たくさんの示唆をいただきましたが、特に重要だと感じた3つにしぼって記事を書いてみました。

 

2日間で保科先生の音楽にたっぷり触れて、自分自身満たされたような感覚があります。

 

今日、指揮法クリニック後初めての指揮を振ります。

新たに指揮に出会うような気持ちになっていて不思議です。