変な感じ満載なのに楽に良い音が出て大混乱!「方向性」と「抑制」に導かれて。

アレクサンダー・テクニーク

はじめまして、トランペット!

 

楽器をはじめてもった時、どんな感じだったか覚えていますか?

 

どうやって持ったらいいんだろう。

口、どうするの?

…っていうか、音でないし。一体どうやって音出すの・・これ

そんなおっかなびっくりの感じから、 繰り返し練習をしていく中で「楽器を吹く」という行為に必要な技術を身につけていきます。 

  • 楽器の構え
  • マウスピースをあてる位置、角度
  • アンブシュア
  • 楽器の持ち方
  • 座り方
  • 構えたときの姿勢
  • 足の置き方…

考え始めたらキリがないほど、「楽器を吹く」という行為には、たくさんの動作が伴っています。

 

毎日の練習の中で、そのひとつひとつを技術として身につける、つまり習慣化していきます。

そういった意味で、 習慣というのは「技術」とも言えます 

 

試しに習慣のひとつを変えてみる

例えばマウスピースをあてる位置を変えてみたとします。

1ミリ以下の動きだったとしても、普段と違うことをするだけですごい違和感。

 

この位置じゃ吹けない!!!

頭の中に鳴り響きまくる警笛。笑

とりあえず、 違和感満載を許して 、試しにその位置で吹いてみたときに、いい音がぽーんと出たりすることがあります。

 

あまりの体の違和感に、出てきたその音がよくても許容できなかったり、大混乱することも。

いい音でたのに、なんか違和感満載でもやもや。

 

 でもせっかくいい音がでたのに、それを認めないのもすごくもったいない! 

 

そんな時、 新しいプロセスに進みやすくしてくれる アレクサンダー・テクニークの基本原理に「方向性」「抑制」という考え方があります。

 

方向性と抑制とは

アレクサンダー・テクニークの7つの基本原理

  1. 心身統一体
  2. 方向性
  3. 習慣的な反応や動きの観察
  4. 抑制
  5. あてにならない感覚的評価
  6. プライマリー・コントロール(初源的協調作用)
  7. 意識的建設的コントロール

 

この中の 方向性抑制 にフォーカスして、考えていきます。

 

かつての自分を支えてくれていた「背筋パワー」

かつて私はハイトーンを吹くときに必要な体勢はこれだ!というものをもっていました。

 

ハイトーンには背筋パワーが必要!!

その当時はそう思って吹いていて、幸か不幸か、高い音に不自由することはあまりありませんでした。

 

ただ、練習中にどんどんひどくなってくる背中の疲労感と、練習後の背中と腰の痛みはずいぶんひどかったのを覚えています。

練習をするとはそういうことだ、と思っていました。

 

背筋を使うから、たくさんハイトーンを吹いたあとは痛くなっても仕方がないこと。

 

さて、ハイトーンを吹くぞ!と思うと、背中スイッチが自動的に入る

背中スイッチがはいればハイトーンが吹けるぞ、という安心感ももっていたように思います。

 

 

ただ、年々ひどくなる練習後の背中の痛みはやっぱりしんどい。 変えたい 

そんな思いは強くなってきていました。

 

背筋パワーだけではなく、違う支えを知る

 

アレクサンダー・テクニークでは、 自分の中心にある「頭と軸」 についてたくさんふれます。

頭と軸についてはこちらから

 

自分の中心には頭があって、その下にカーブを描きながら長く伸びている背骨が自分の中心を通っている。

体の中は見えないけれど、そんな軸が体全体を支えてくれている。

 

  • 背中の表面じゃなくて、支えてくれているのは中心にある軸。
  • 背中側はお休みさせてあげてもいいかも。

 

 今まで使っていた習慣をやめてみて、その代わりに違う方向性を出してあげる。 

今回の私の場合だと、「背中側をお休みさせてあげる」が「抑制」にあたるものです。

 

 抑制するだけだとなんとも心もとない 感じがします。

それもそのはず、 今まですごく頼りにしていたものを手放すから です。

 

ハイトーンは背筋じゃー!と信じていた、その背筋が頑張っている感じを手放したときは、なんとも心もとない。

 

新しい方向性に導かれていく

 

そこで 頼りになるのが「方向性」 です。

自分の中心に軸が通っていて、体重を支えてくれているのを思い出してみよう。

頭と軸を中心に、支えてくれているのを考えてみよう。

 

 自分自身に新しい方向性を明確に示すことができたとき、抑制だけをしていた頼りない感じとは違う明確さが生まれて動きやすくなります 

また、新しいプロセスに向かっていこうとすることができるので、相乗効果で自然と「抑制」もうまくいくことがあります。

 

「抑制」を日本語の文字通り「やってはいけないこと」と定義してしまうと、それはそれで弊害がでてしまったりします。「やってはいけない」という禁止は、体を固くする可能性があるのです。

 

 抑制しつつ、新しい方向性をもって試してみる。 

新しい音や新しい吹き心地との出会い。そして時には混乱も生じる。

 

いつでも自分で選ぶことができて 選んだものは新しい技術(習慣) にしていくことができる。

 

いつでも自分の先生になれて、いつでも自分で選択できる。

 

それを知っているだけで 無限に可能性がひろがっていく感じがしています。 

 

 


 

管楽器を中心としたレッスンを承っています。

今よりももっと自由に楽に、楽器を響かせられるようなレッスンを目指しています!

お気軽にお問い合わせください。

 

レッスンを受けていただいた方の声はこちらから

個人レッスン・グループレッスンのご案内はこちらから