以前、アレクサンダー・テクニークの合奏レッスンを受けていただいた方からご質問いただきました。
どの楽器をする方にとっても為になるご質問だったので、私自身の見解を記事にしました。
たびたび実践いただければ、今まで演奏中の姿勢で悩んでいた方の解決の糸口になるような内容になっています。
目次
【質問】気づくと姿勢が悪くなってしまう…どうしたらいい?
演奏している最中、気づくと姿勢が悪くなっています。姿勢を保とうと背すじを伸ばしても気づくと崩れてしまいます。
何を意識するといいでしょうか?
【回答】楽器演奏にもいかせて、今からすぐ実践できる2ステップをお伝えします!
良い質問をありがとうございます!
まず、朗報です。
「背すじを伸ばす」以外に姿勢を保っておくアイデアはあるんです。
ただ、もしかすると地味〜〜に感じる回答かもしれません(笑)でも、これを知ってたびたび実践していたら、3ヶ月で肩こりが治ったというラッキーな実体験もあります!
体幹は大事と言われますよね。でも「なぜ体幹が大事か」ということはなかなか語られていません。今日はその体幹の重要性のひとつに触れていきます。
すぐに実践できるアイデア【2つのステップ】
- 背すじを張って姿勢を保つ代わりに、自分の中心に存在している背骨に姿勢を支える仕事を任せる
- ①の内容を思い出すたびに実践してみる
もう少し補足説明をしますね。
背すじに頑張ってもらう代わりにやってみたいこと
『背すじ』とはどこかというと、ほとんどの人は背中の表面部分のことをさすと思います。
背中の表面をピンと張って姿勢を保とうとしているんですね。
でも今回は姿勢を保つために、もっと体の構造に合った方法があるを提案したいのです。
その考え方の1つが、
「体の中心部にある背骨の上に頭がふんわり乗って、全身のバランスをとってくれていること」
そして
「S字カーブをしている背骨の前側の太い部分が体重を支える役割をしてくれていること」
です。
ピンとこない方も多いと思うので、図でご覧ください。
背すじを伸ばす!の時に多くの人が頑張る場所は赤い部分。
でも、この背骨の突起の周りは神経が通っていたり、突起に囲まれた骨の内側に脊髄が通っていたりします。
その代わりに、主に体重を支える役割を担いたいのは青い部分です。
↓体の中心部にあることがよくわかります。
背すじをピンと張らないと!と頑張っているのは赤い部分。
ずいぶん位置がずれていること、図を見てわかるでしょうか!?
からだは幅も奥行きも高さもあって、すごく立体的。
それを赤い部分だけで支えようとするのは、無理があるようにも思えますよね。
本来は体の構造に沿って、青い部分に体重を乗せることをお任せしたいのです。
中心部にある青い部分の骨に体重を乗せてあげてバランスをとりたい。
具体的な実践方法は?
では、具体的にどうやったらいいのか?
実はここまで読んでいただいただけで、体の使い方はすでに変化しています。
不思議なもので、体の構造を知っていくその段階で、すでに体のバランスはどんどん変化していってくれています。「脳は体の構造を知るだけで、その瞬間から変化が起きている」という人間のすばらしい能力のひとつです。
読んでいただく前と今、体の感じは全く一緒でしょうか?
それともほんの少しでも違う感じがしますか?
ほんのわずかでも変化してるかな?と思えたら、まずはそれで十分です。
やろうとしてもすぐ忘れてしまう!そんな人のために
常に意識をし続けることは誰しも難しいですが、忘れてもOK!! 思い出すたびに実践できれば十分です。
例えば
- 決まった時刻にアラームをセットしておく
- トイレにいくたびに気にかけてみる
- パソコンのデスクトップに自分へのメッセージを貼っておく
- 楽器を構える前にいつも実践してみる
など、気がつくための工夫ができたら実践していけそうですね。
私はポモドーロタイマー🍅をかけて25分ごとにゆるーく思い出すきっかけを作っています。それだけでも1日を終えた時の疲労感はまったく違うので驚きです。いかに体の構造とズレたことをしていると、疲労感が増すかがよくわかります。
今日から思い出すたびに、
- 頭が背骨の上にふんわり乗っていること
- 背骨はからだの中心部でS字カーブを描いていること
- 背骨の前側が体重を支えてくれていること
背すじをピンと張る代わりに体の中心部にある頭と背骨に預けてみましょう!
普段の生活から実践していくことで、楽器にもどんどん良い影響が出てきます。
ぜひ実践してみてください!
いまいちわからないなぁ…という方は気軽に体験レッスンにお越しくださいね。
今まで、のべ2,500名以上の方と講座やレッスンで体の使い方や呼吸を探求してきました。自分にぴったりな体の使い方やバランスを一緒にみつけていきたいですね。