力を発揮したい時にできるウォーミングアップ4ステップ

あがり症・緊張

 

最近、個人レッスンでも学校レッスンでもLINE公式でもよく質問いただくのが…

 

【緊張について、もっと知りたい】

【緊張しても本番で力を発揮する方法を知りたい】

 

質問もリクエストも、とても多いです。

緊張って悪いことなんだろうか?

音楽が大事な人にとって、本番をうまくいかせたい、失敗したくないと考えた時、体は自分自身のためにいろんな反応をします。大事なことをするために、一生懸命準備をしてくれているのです。

そう考えると、緊張は本来悪いことではないと思えます。大事な本番のため、自分のために、体が準備してくれているからです。

でも、起こっている事象によっては、どうしても不都合に感じたり、起こってほしくないことが起こったりすることももちろんありますよね。

 

まず、緊張そのものは「自分が大事なことをしようとしているから起きているんだ」「ここ1番って時だから準備してくれているんだ」ということを知っておくと、少し気持ちの変化があるかもしれません。

私自身、演奏時の緊張がとても大きいため、長らく取り組んできているテーマです。

このあたりは、また改めてじっくり触れていきたいと思っています。

4つのステップのウォーミングアップ【マインド編】

さて今回は、大事な本番に向けてできるウォーミングアップについてご紹介します。

当日でももちろんできますし、練習前にでもいつでもできるウォーミングアップです。

  

もとは、私の師匠のひとりでもあるキャシー・マデン先生から教わった方法を自分なりにアレンジしたものです。

これは、自分の感覚や思考を使ってウォーミングアップする方法です。

もしかすると、はじめて実践する方は、つかみどころがない感じがするかもしれません。

音楽の世界ではあまり聞かないため、やったことがない方が多いかもしれませんが、スポーツ心理学ではこれと同じようなトレーニングを大事にしている印象があります。

スポーツだと自分のパフォーマンスを発揮するための心理的トレーニングは当たり前に取り入れられているので、音楽の分野でももっと当たり前になっていくといいのになぁと思っています。

明日からすぐに使えるものですので、力を発揮したいと願っている方は是非お試しくださいね✨

 

自分の力を発揮したい時に使えるウォーミングアップ4ステップ

❶今どんな感じ?どんな気持ち?と自分に問いかけてあげる

ワクワクしてる?そわそわ?不安?心配もあるけど、楽しみな気持ち?

そういう、自分の中に湧き起こっている気持ちを大事にします。

 

できれば声に出して、受け止めてあげます。

 

自分その1👱‍♀️「なんか不安なんだよね。そわそわする」

自分その2👩『そうなんだ、不安なんだね。そわそわするよねぇ』

自分その1👱‍♀️「うん。でも楽しみな気持ちもあるなぁ」

自分その2👩『そっかー、楽しみな気持ちもあるんだね!』

1人二役です🤣笑 滑稽に感じるでしょうか?

でも、自分の今の気持ちを受け止めることって、実は想像以上に自分の力を発揮することにつながるんです。

 

❷ステージや今の空間から感覚情報を集めよう

次に、そのステージや部屋、空間から五感をフルに使って感覚情報を集めます。

感覚情報を集めてみる

【視覚】今、見えているステージの奥行きや幅は?天井の高さはどれくらいだろう?

【聴覚】今、何が聴こえるかな?(ステージ上で準備している音?聴衆の気配?エアコンの音?)

【味覚】今、舌の感覚はどんな感じだろう?

【嗅覚】今、ステージ上はどんな匂いがするだろう?鼻を通っていく空気の温度感はどんな感じだろう?

【触覚】今、触れている楽器の感触はどんな感じ?ステージの床の硬さはどんな感じ?椅子の感触は?足の裏の感触はどんな感じ?

呼吸をしつつ、五感を使って情報を集めていきます。

❸何がすき?

自分がすきなもののことを思ってみます。

  • 視界が広がる丘の上
  • 心地よい風が吹く近所の散歩道
  • 家でまるまっているネコ
  • 仲間とわいわいお酒を飲む時間
  • すきな映画のワンシーン
  • もふもふのうさぎ
  • おいしいシフォンケーキ
  • カレーを作っているときの香り
  • 元気にしっぽをふっている犬
  • ローカル電車にのんびり乗ること
  • カメラで被写体をおさめること

人でも空間でも食べ物でも、すきなもののことであればなんでもOKです。

 

❹どんな音がするんだろう?

❶〜❸に取り組んでみたら、空間を見渡して、「この空間で今の自分が音を奏でたら、どんな音がするだろう?」と空想してみます。

 

大事なのは、

「こういう音でなければならない」「失敗してはいけない」ということではなく、

「どんな音がするだろう?」

っていう問いかけです。

 

アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けたことがある方は、もう一歩踏み込める大事なことがあります。

 

❶〜❹のプロセスすべてにアレクサンダー・テクニークを使ってみます。

  1. 頭がふわっと動いて ➡︎ 自分全部ついていかせながら ステップ❶
  2. 頭がふわっと動いて ➡︎ 自分全部ついていかせながら ステップ❷
  3. 頭がふわっと動いて ➡︎ 自分全部ついていかせながら ステップ❸
  4. 頭がふわっと動いて ➡︎ 自分全部ついていかせながら ステップ❹

 

その後、音を奏でてみたらどうなるのかな? …ということです。

 

体の感覚も、音の感覚も、今までとは違う経験ができるかもしれません!

 

試してみて、質問や感想あれば是非教えてくださいね。

今季の本番も、みなさんにとってすばらしいものになりますように✨

 

それでは、また!