響きが変わる!姿勢のグラデーション【実践5ステップ】

アレクサンダー・テクニーク

こんにちは、加藤有希です!

「演奏する時の姿勢を直したいけど、どうしたらいいかわからない…」と悩んでいませんか?

そんな方に向けて、自分にあった姿勢で演奏できる手順の解説記事を書きました!

この記事は次のような悩みがある人におすすめです!

  • 長い時間演奏していると肩が痛くなったり背中や腰が痛くなる
  • 「姿勢悪いよね〜」と他のメンバーから言われてしまって悩んでいる
  • 自分の演奏している姿勢が正しいかわからなくて自信を持てない


本記事で紹介する「姿勢のグラデーション」を実践すれば、自分にあった演奏中のバランスをたくさん発見できる可能性大です。

実際に私もこの方法で音が変わった経験もありますし、今までよりラクに吹けるようになった経験もあります。
また、吹奏楽部やオーケストラの大人数でのレッスンで一緒に実践した結果、圧倒的にサウンドが変わったことも多々あります。

この夏のレッスンでは、約400名のみなさんと一緒に実践と実験を繰り返してきました。この記事で具体的な方法を解説していきます!

演奏中の良い姿勢は本当にたくさんあることを知る

まず、 ここが最重要ポイントです。

姿勢にはグラデーションがあってもよく、その時々で自分に合った姿勢バランスを見つけていってOK!ということです。

なぜなら、いつもと違う姿勢バランスを試してみたときに、実はかなり吹きやすくなったり、とても響きが出るということがたびたびあるからです。
個人レッスンの中でも、合奏レッスンの中でもよく起きます。

ただし、これを実践する上で、いくつかの思い込みが邪魔をしてしまうこともあります。

思い込みが引き起こすワナ

❶「慣れているいつもの姿勢がやっぱりやりやすくて演奏しやすい」という思い込み

いつもの姿勢は安心感があります。
慣れ親しんでいるものは当然安心感があるものです。

人間には「新しい変化が起きたときに抵抗して「いつも通り」を維持しようとする傾向があります。
人間も含めた動物にはホメオスタシス(恒常性)というものが備わっています。簡単にいうと、環境の変化に適応していつも同じように保とうとする性質のことです。
つまり、周囲の変化から身を守る働きが備わっているのです。

それもあって、少しでも違うことを試したときに、強い違和感を感じます。

その違和感ゆえに、試したことが心地よく感じないこともあります。

でも、その違和感こそが「新しいことにチャレンジできている」という証拠でもあるのです。

❷「みんな正しい良い姿勢で演奏しないといけない」という思い込み

よく考えてみると気づくことですが、自分と他の人は、背丈や体重も違うし骨格も違います。
個人個人で全く違う状況にあるのに、「正しい同じ姿勢」 という考え方がそもそも無理があるのです。

❸「静止画のような正しい姿勢」の思い込み

演奏中は、思った以上に刻々とバランスが変化していっています。
フィンガリングによっても姿勢のバランスは実は細やかに変化しているし、呼吸の状態によっても変化しています。弦楽器のボウイングやトロンボーンのスライド操作は、もちろんかなり大きなバランスの変化が起きています。トランペットやフルート、クラリネットのような高音楽器も無意識のうちに大きな変化が起きているのです。(これは、個人レッスンの中で丁寧に取り組んでいくうちに気づく方も多いです)

また、演奏中のバランスは、その時に使っている椅子にも当然左右されます。

そのため、姿勢を考える時に、静止画で捉えてしまうとどうしても無理が生じます。

演奏中のバランスは、常に刻々と変化していくものだからです。

考え方の方向性を少し変えてみよう

「正しい姿勢で演奏しなくては…」「背すじをピンと胸を張って演奏しなくては…」
このような考え方がよぎったとき、

  • 本当に演奏しやすい柔軟な体はどんな感じだろう?
  • 動きやすいバランスはどんな感じだろう?
  • 本当に響きやすい体のバランスはどんな感じだろう?

上記のような方向に考え方の転換をすることをぜひオススメしたいと思います。

ほとんどの方は、良い姿勢で演奏することが1番の目的ではないはずです。
本当の目的は、「良い響きで演奏したい」「今より演奏しやすくなってさらに自由に表現したい」
こういう方向なのではないでしょうか?

姿勢のグラデーション実践【5ステップ】

さて、具体的な姿勢のグラデーション実践方法をみていきます。
ぜひ記事を読みながら一緒にやってみてくださいね。

 

ステップ1:いつもの姿勢バランスの観察

いつも通りの演奏姿勢をして、少し自分の体を観察してみます。
*吹く・弾く・叩くという演奏直前の状態で観察するのがおすすめです。
 ➡︎この姿勢を100とします。

ステップ2:休みの姿勢バランスの観察

今から200小節休み!出番はしばらくこない!と思って、休みの姿勢をしてみます。
*かなり思い切ってだらっと休んでみてください。
 ➡︎この姿勢を0とします。

ステップ3:いつも通り演奏する実験

①ご自身の体の観察をしながら、姿勢0から姿勢100まで動きつつ、楽器を構えてみてください。
姿勢100(いつも通り)で一度演奏してみます。響きや体の感覚を観察してみます。

ステップ4:いつも通りの姿勢の60%くらいで演奏する実験

①ご自身の体の観察をしながら、姿勢0から姿勢60まで動きつつ、楽器を構えてみてください。
姿勢60(完成度60%くらい)で一度演奏してみます。響きや体の感覚を観察してみます。

ステップ5:いつも通りの姿勢の80%くらいで演奏する実験

①ご自身の体の観察をしながら、姿勢0から姿勢80まで動きつつ、楽器を構えてみてください。
姿勢80(完成度80%くらい)で一度演奏してみます。響きや体の感覚を観察してみます。


ステップ3はいつも通り、慣れている感じに近かったと思います。

ステップ4,5はどうだったでしょうか?

60%や80%は一例ですので、もちろん他の割合でも大丈夫です。

  • こんな姿勢で吹いていいのかな…
  • なんだか意外と音が出てびっくりした
  • ラクに演奏していて、演奏している感じがあまりなかった!
  • 違和感が強くて、戸惑いの方が多い
  • あんな姿勢なのに、響きが増えてびっくりした

夏の合奏レッスンの中でも本当にたくさんの生の声を聞きました。

実践後にそれぞれが感じた感覚を、ぜひ大切にしてみてくださいね。

60%や80%で演奏した経験がない人も多いかと思います。

その中で、少しでも「音や響きがよくなった感覚」「演奏しやすくなった感覚」
これらが生まれていた場合には、とても可能性がひろがる方向の実験ができています。

ぜひ、個人個人でも、部活や団の仲間と一緒に、試してみてください。

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