8月も今日で終わりですね🍉
2026年の夏は、19団体、のべ750名もの方と合奏レッスンでご一緒しました。吹奏楽団、オーケストラ、学校の部活動、去年に引き続き合宿にお邪魔してじっくりサポートできた団体もあり、私にとってもとても充実した夏の時間になりました。
さて、たくさんの現場を回って改めて思ったのは、同じように見える課題も、抱えていることは団体ごとに違うということでした。
目次
似ている課題の中に、同じ悩みはひとつもなかった
・音がかたく細くなってしまう
・音が飛ばない
・音程が合わない
・縮こまってしまう
・体に硬さがある
・あまり響かない
・pが雑になってしまう
どれも「音が良くない」と一言でまとめてしまえば、同じように見えます。でも、その中で起きていることは、団体ごとに全然違いました。
だから毎回、まずその場で起きていることをじっくり観察するところから始めています。
団体ごとに大事にしている指針が違うため、みんな気づかないうちに特徴的な動きをしていたり、長年語り継がれている練習方法や意識の仕方があったりします。それは、その団体にとってはほとんどの場合は無意識になっていることが多いです。
それを丁寧に紐解いていく中で、見えてくることがあります。
変化が起きるその瞬間
レッスンの中では、全体の音が一気に変わる瞬間があります。
特に、呼吸や体の意識が変わったときには、一気に音が変わることが多いです。
- 呼吸の勘違いに気づいて、新しい方法を試してみる
- 今まで自分だけの正解をもっていたものを、新しいパターンで試してみる
- 体のどこかへの注意を変えてみる
- 音の飛ばし方ではなく、客席に届く音の奏で方を知る
- 空間認識を鮮明に実践してみる
それだけで、全体の響きが大きく変わることがよくあります。
この夏、特に多くの団体で見られた課題が2つありました。
・自分の音が聞こえなくて、不安になる
・音がブレンドせず、響きがにごってしまう
どちらも、たいていは「もっと頑張って吹く」方向で解決しようとしてしまいます。
でも実際にやってもらうのは、まったく別のことでした。
①自分の音が聞こえなくて、不安になる
合奏中、自分の音が聞こえなくて不安になっている人は多くいます。そのときに、なんとか聞こえさせるために無意識のうちに力んでしまったり、しっかり吹き込んでしまったり。
それを続けているうちに、なぜか体は力み、うまく音も鳴らず、あまり調子がよくない方向にそれていきます。
なんども見てきた光景です。
でも、実際にはどうでしょうか。
どれだけ小さな音でも、その音は部屋の隅まで確かに届いています。耳元で聞こえないだけで、鳴っていないわけではありません。
だから、こう考えてみます。
自分の音は、部屋の隅まで届いている。
自分の耳に届いてこないなら、聞こえていると想像してみる。それだけで、力みが抜けたり、音が変わったり、呼吸が変わったりします。不思議に思われるかもしれませんが、多くの場合、響き豊かに鳴り出します。
②音がブレンドせず、響きがにごってしまう
もうひとつ、合奏でよくやってもらうことがあります。
たとえば、ドミソのハーモニーで自分がミを吹くとき。
音を出す前に、自分の中でドとソを鳴らしておきます。
実際に聴こえてくるのを待つのではなく、頭の中に鮮明に思い描いておく。
そのうえで、その響きにハモるようにミを出す。
ただそれだけです。
でも、さっきまで合っていなかったハーモニーが合いはじめ、ブレンド感が増し、なぜか音程まで良くなる。
そんな光景を、この夏も何度も目の当たりにしました。
聴いてから合わせようとすると、どうしても後追いになります。
だから、鳴る前に先に居場所を用意しておきます。
自分の中に、他の人の音の居場所をつくる。
自分の音を出すことと、周りの響きを思い描くこと。
このふたつは、別々のことではないのだと思います。
レッスン後の振り返りに書かれていたこと
レッスンの後、みなさんに振り返りシートを書いていただいています。直近2年でも900件を超えました。レッスンの中で全員と対話をすることは難しいため、この振り返りシートは私にとって貴重なものです。
読み返していて、印象に残った言葉がいくつもありました。
レッスンを受けて、息を吸うのも、楽器を吹くのも段々リラックスしてできるようになってきて、感動しました。周りの聴き方が変わることでより自分の音がいるべき場所を見つけやすくなって、吹きやすくなりました。本番などの緊張する場面でも落ち着いて、それを思い出して実践できるように普段から意識していきます。
今までは、レッスンといえば曲のことや音楽のことっていうイメージだったけど、今回は体のことなので、興味深いところがありました。打楽器ですが、管楽器の呼吸法は楽器を叩く上で、脱力の手助けになったり、管楽器とのタイミングを合わせるのにとても役立つと思いました。
バテに悩んでいたんですけど、今回教えていただいたアンブシュアを実践してみると、今までよりも力みが減って、力みの少ない状態で高い音を吹けたり、曲の最後までいい音色で吹いたりすることができるようになりました。
1番初めの基礎合奏よりも、ストレッチや息の使い方、響き方などを聴くだけで、ほんとに私たちの音なのかというくらい響きが残って、嬉しかったし驚きました。
「自分たちにもこんな音が出せるんだ」と、感動した瞬間を感じてくれた方が何人もいて、それが一番印象に残っています。
これからも私が関わらせていただいた団体が、そんな瞬間を出せるように、全力でサポートしたいと思っています!
変化のあとはどうしたらいい?継続性の話
振り返りシートには、こんな声も多くありました。
「自分たちで再現できるようにしたい。」
「ロングトーンでは変化を感じたけれど、曲になると分からなくなった。」
「レッスンの時にはできたのに、あの時ほど響かない感じがする」
これは、とても正直な感想だと思います。レッスンの場で大きな変化が起きても、それがそのまま定着するわけではありません。
体や思考の習慣は、一度気づいただけですぐに変わることはなかなか難しいからです。
それでも、サイクルを回していくことで、確実に、格段によくなっていきます。
大事なのは、
・自分で気づく力を日々育てていくこと
・感覚を洗練させていくこと
・自分にあった方法を模索していくこと
変化を再現することよりも、あのとき何をしていたか、何を考えていたか、どんなプランを実行しようとしたか。
そちらの方が大事だと思っています。
レッスンでは、そのようなお手伝いをしています。自分たちで日々実践するためのプロセスを模索する作業がとても大事です。
おわりに
この夏にご一緒したみなさん、ありがとうございました!私にとっても忘れられない夏の時間になりました。
9月には、一般吹奏楽団体向けの講座と、音楽家グループ向けの講座を予定しています。
初めて伺う吹奏楽団さんからは、なんと50以上の質問や課題の相談をすでに寄せていただきました。
もう1団体は、音楽家グループ。「音楽家のパフォーマンス」「音楽家のメンタルトレーニング」について一緒に学んでいる仲間向けの講座です。ドイツやアメリカ、日本など、世界各国で活躍中のメンバーとオンラインでつないで、体と呼吸の講座を開催します。
どちらも1年近く前からご相談をいただいていたもので、じっくり準備しているところです!
明日からは9月。今年も残り4ヶ月ですね。
秋の音楽活動も、自分らしく進んでいけるよう、私も全力で伴走を続けていきます🎶
📢 現在募集中のレッスン
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