【吹奏楽部での活動】自分も後輩もいっしょに上達する方法

吹奏楽

部活で後輩ができたけど、なんてアドバイスしたらいいかわからない…

後輩の指導をしているけど、なかなかうまく指導ができない

仲間同士が成長できる【言葉】のやりとり

こんなことを知って磨いていきたい人のための記事です

  • 後輩たちがのびのびと成長するためのアドバイスの仕方を考えたい人
  • 後輩たちに言わない方が良い言葉を知っておきたい人
  • 後輩たちにアドバイスしながら、自分も成長したい人

たくさんの失敗経験と試行錯誤を繰り返してきた経験をもとにした【仲間がみんなで成長できる言葉】

吹奏楽歴20年以上、オーケストラ歴15年以上経験して、指導にも長く関わっていますが、 過去には数え切れないくらいのたくさんの失敗をしました。 

その時にはよくよく考えて言葉をかけたつもりでいたものの、 あとから考えてみると成長につながる言葉ではなかったり、成長を邪魔するような言葉もいってきてしまった と思っています。

そんな苦い経験もふまえてたくさんのことを考えてきました。今回の記事では、仲間といっしょに成長していける方法を考えていきます!

後輩が出した音がかすれている時、どうしますか?

こんな場面があったとします。

あなたはどんな対応をするでしょうか?

ある日、隣で吹いている後輩から聴こえてくる音の出だしがはっきりせず、かすれていることに気がつきました。

出だしがかすれてプスプスいっているから、気をつけてね。

は、はい。わかりました。

私が指導に携わっている学校でも、たまに見かける光景です。

この後輩がかすれの原因を自分でわかっているならあまり問題にならないかもしれません。

でも実は、

(音がかすちゃうから困ってるんだよぅ…)

と思っていて、それをよくしていきたい!と必死に頑張っているかもしれません。

【ケース1】後輩が音のかすれに気づいていない場合

他のことに気をつけて一生懸命練習していたり、いろんな奏法を試している最中で気がついていなかったり、この場合は「音がかすれているよ」という事実を伝えてあげることがうまく働く場合があります。

 なんらかの理由で本人が気づいていないことを客観的に伝えてあげるというスタンスです。 

ただし、かすれている音とはっきりしている音の違いがわからないというケースもあります。

その場合、あなた自身がもし楽器で違いを示せるのであれば、音を聴かせてあげることも有効な手段になりそうです。違いがわからないと、後輩もどのようにしていけばいいかわからず困ってしまいそうですね。

【ケース2】後輩が音がかすれに気づいている場合

さっきの会話のように、音のかすれには気づいているんだけど、どうしたらよくなるのかわからないと悩んでいる場合はどうしたらいいのでしょうか

いろんなアプローチがありますが、 どうやったら音が変わっていくかいろんな方法を試して実験してみるのがおすすめです。 

いっしょに楽しみながらいろんな方法を試してみよう

あなたは1年、2年楽器を長くやってきただけいろんな経験を積んできて、後輩よりもいろんな対処法を知っているのではないでしょうか。

音がはっきりしない時にどんな方法を試してみますか?

提案の例
  1. 息の量を増やしてみる、減らしてみる
  2. タンギングの舌の位置をいろいろと変えてみる
  3. タンギングの強さを変えてみる
  4. アンブシュアの強度をあげてみる(唇のまわりの筋肉をさっきより強めに使う)
  5. アパチュア(口の中心の隙間)をさっきより狭くしてみる、広くしてみる
  6. 息の圧力をあげるためにもっとお腹の力を使ってみる …などなど

上記のことをひとつだけ試してみたり、組み合わせて試してみてもいいかもしれません。

提案 → 実験 → 対話 を くりかえしやってみよう

上記の提案内容を1つずつ後輩に試してもらいながら実験してみましょう。

 実験だから変な音になってもおもしろい音になっても、うまくいってもうまくいかなくてもいいんです。 

じゃあ次は息増やしてみよっか!もう少し口周りの筋肉をしっかり使ってみようか!という感じでいろいろ試していきます。

そして、試したあとには「今のどうだったー?」と聞いてみます。吹き心地とか音の響きの感じとかですね。もし先輩のあなたが聞いていて、「さっきよりも音がはっきりした」と感じたのであれば伝えてあげてもいいかもしれません。

どうだった?とたずねてあげる

たずねたときに、後輩がうまく答えられないこともあるかもしれません。特に新しいことを試しているときは、頭の中がとてもいそがしい状態になっています。

それでも、今のどうだった?とたずねてあげることで後輩が考えていくきっかけになります。

後輩が考えていくきっかけを作ってあげられたということは、先輩のあなたの役割としてとても素敵なことで、それだけで十分すぎるくらいです。

もし後輩がその時にうまく言葉にできなかったとしても大丈夫です。対話を通して考えられるようになってきたり、自分で工夫できるようになっていきます。

 それが後輩ひとりで練習するときにも大きな力になって育っていきそうですね! 

全く同じ顔、同じ体格の人はいないということ

あなたが前に音のかすれに悩んでいて、解決した方法があったとします。その方法を後輩に提案してみて、もしうまくいったならとてもラッキーです。

うまくいくかもしれないし、うまくいかないかもしれません。

だた、それを後輩に押し付けることは少し危険があるかもしれない、と思います。

双子やきょうだいであっても、それぞれ顔つきや体つきが違うように、骨格も体格も指や腕の長さも舌の長さも歯並びも、言い出せばキリがないくらい違いがあります。

また、それまでの楽器歴も違えば練習してきた内容も違います。

もっというと、育ってきた環境も違います。

いろんな背景がある中で、1つの方法を押し付けるということは、その人の可能性を狭めることにつながってしまいます。

逆にいうといろんな背景があるからこそ、おもしろがって試してみることで、新しいアイデアがしっくりくるかもしれません。後輩とあなたにとって今まで知らなかった新しい音との出会いがあるかもしれません。

そう考えるとわくわくしますね!

かけがえのない仲間といっしょに成長しよう!

2020年現在、私が指導に携わっている学校でも、約4ヶ月ぶりに練習が再開しました。

そして先日、ついにみんなで合奏をすることが叶いました!

5ヶ月ぶりに合奏をして、曲を通してみたときのいきいきとした仲間の表情はしばらく忘れられそうにありません。

仲間の空気感を肌で感じ、音を重ねる喜びと響き合う音楽は、その瞬間だけのかけがえのないもので、その場にいるだけで熱い思いがこみあげてきました。

 たまたま同じくらいの歳に生まれ、縁あってその学校に入学し、縁あって吹奏楽部に入って、たくさんの偶然が重なって出会えた仲間を大切にしながら、いっしょに高め合っていきたいですね。 

吹奏楽部のみなさんの活動を心から応援しています!