以前、アレクサンダー・テクニークの合奏レッスンを受けていただいた方からご質問いただきました。
楽器をする他の方にとってもためになる質問だったので、いただいた質問と私自身の見解を記事にしました!
記事の内容をたびたび実践いただければ、今まで演奏中の姿勢で悩んでいた方の解決の糸口になるような内容になっています。
【質問】背すじを伸ばすクセがある場合、どうしたらいい?
演奏していると、どうしても背すじを伸ばす癖がついてしまっているからか、気がつくと日本的な良い姿勢になってしまいます。
何を意識するといいでしょうか?
(*)ここでの「日本的な良い姿勢」とは、「背すじをピンと張って胸を張る、世間一般的にいうきれいな姿勢」のことを指します。
【回答】楽器演奏にもいかせて、今からすぐ実践できることがあります!
とても良い質問をありがとうございます!よければ2つ試してみてほしいことがあります。
すぐに実践できるアイデア2選
- 背すじを張って姿勢を保つ代わりに、自分の中心にS字カーブの背骨があって、姿勢を支えてくれていることを思い出す
- ①の内容を思い出すたびに実践してみる
もう少し補足説明をしますね。
背すじに頑張ってもらう代わりにやってみたいこと
『背すじ』とはどこかというと、ほとんどの人は背中の表面部分のことをさすと思います。
背中の表面をピンと張って姿勢を保とうとしているんですね。
でも実は姿勢を保つために、もっと体の構造に合った方法があると考えています。
その考え方の1つが、
「体の中心部にあるS字カーブの背骨に頭がふんわり乗って、バランスをとってくれていること」
そして
「S字カーブをしている背骨の前側の太い部分が体重を支える役割をしてくれていること」
です。
下の図をご覧ください。

背すじを伸ばす!の時に多くの人が頑張る場所は赤い部分。
でも、この背骨の突起の周りは神経が通っていたり、突起に囲まれた骨の内側に脊髄が通っていたりします。
その代わりに、主に体重を支える役割を担いたいのは青い部分です。

↓体の中心部にあることがよくわかります。

背すじをピンと張らないと!と頑張っているのは赤い部分。

ずいぶん位置が違うことがわかりますね。
からだは幅も奥行きも高さもあって、すごく立体的。
それを赤い部分だけで支えようとするのは無理があるようにも思えますね。
本来は体の構造に沿って、青い部分に体重を乗せることをお任せしたいのです。
中心部にある青い部分の骨に体重を乗せてあげてバランスをとりたい。
具体的な実践方法は?
では具体的にどうやったらいいのか?
実はここまで読んでいただいたことで、体の使い方はすでに変化しています。
不思議なもので、体の構造を知っていくその段階で、すでに体のバランスはどんどん変化していってくれています。
読んでいただく前と今、体の感じは全く一緒でしょうか?
それともほんの少しでも違う感じがしますか?
ほんのわずかでも変化してるかな?と思えたら、まずはそれで十分です!
やろうとしてもすぐ忘れてしまう!そんな人のために
常に意識をし続けることは誰しも難しいですが、思い出すたびに実践することはできます!
例えば
- 決まった時刻にアラームをセットしておく
- トイレにいくたびに気にかけてみる
- パソコンのデスクトップに自分へのメッセージを貼っておく
- 楽器を構える前にいつも実践してみる
など、気がつくための工夫ができたら実践していけそうですね。
今日から思い出すたびに、
- 頭が背骨の上にふんわり乗っていること
- 背骨はからだの中心部でS字カーブを描いていること
- 背骨の前側が体重を支えてくれていること
背すじをピンと張る代わりに体の中心部にある頭と背骨に預けてみましょう!
普段の生活から実践していくことで、楽器にもどんどん良い影響が出てきます。
ぜひ実践してみてください!
いまいちわからないなぁ…という方は気軽に体験レッスンにお越しくださいね。