本番で頭が真っ白になってしまった…解決策は?【緊張・あがり症】

あがり症・緊張

先週、遠方からレッスンに来てくださった方がいらっしゃいました。その個人レッスンでの一コマです。

頭が真っ白に…

「先日の本番、1曲目で頭が真っ白になってしまいました」
「最初の音がわからなくなってしまったんです…」

みなさんもステージ上で頭が真っ白になった経験はありますか?

緊張していると感じる時、起きていることは本当にさまざまなのですが、極限状態の中でも自分がとれる選択肢があることは本当に救いになります。

私自身、過去に非常にプレッシャーのかかる曲で極度の緊張状態に。

極限状態の舞台でついに取れる手立てが何もなくなり、ただただステージ上で絶望した苦い経験の持ち主です。

 

最近、個人レッスンで緊張をテーマにする人も多く、こういう相談はかなり増えてきています。

あたままっしろ…

その時どんなことが起こっていたか

今回のレッスンでは、その本番の場面で、

  • どんな思考が起こっているか
  • 体の状態はどんな感じだったか

その時のことを振り返り、これらを丁寧に紐解いていく時間を作りました。

さらに踏みこんで、次の本番に向けて具体的な作戦を練ったり実際に思考や動きを試す時間を取りました。

実は、事前にいろいろと試してみる価値のあるプロセスがたくさんあります。

“緊張”と一言でいっても実は思った以上に個人差があります。

側から見ると同じようなことが起こっていても、実際には全然違う現象が起きていることもあると思っています。
複雑に絡み合う要素もあります。

だからこそ、その時に何が起こっていたか、どんな思考が起こっていたかなど、じっくり向き合って分析していくことが役立ちます。

緊張は本当に悪いもの?緊張したらいけない?

いずれのプロセスにおいても大事だなと感じているのは、この2点です。

  • 緊張そのものは、実は悪いものではないということ
  • 自分の体は、力を発揮したいと願っている自分のために働いてくれているということ

アレクサンダー・テクニークの師匠のひとり、キャシーマデン先生に「緊張するんです…」とはじめて相談した時の出来事。

キャシーは真剣に私の話を聞いてくれた後、急に表情をパッと変えて、

「It’s good〜🎶 It’s good〜🎶」

「It’s good〜‼️ It’s good〜‼️」

…と指を打ち鳴らし、部屋中を踊って駆け巡りながらお祝いしてくれました。

呆気に取られて、だいぶ仰天したことを思い出します。笑

(完全に余談ですが、通訳の方が「それはいいこと〜それはいいこと〜」と後ろで淡々と通訳してくださっていたのは、シュールでかなりおもしろかった。。🤣そんな思い出もあります)

自分にとって大事なことをする時の体の反応

緊張状態は、演奏において望ましくない状態も起こったりします。
でも、力を発揮したいと願っている自分に対して、自分の体が働いてくれているのです。これを知るだけでずいぶん救われます。

  • 緊張した状態を否定する
  • 緊張しても知らないふりをする
  • 緊張、興奮状態に対して「落ち着け…落ち着け…」と高ぶりを抑え込む
  • そわそわして動きたいのに、落ち着かないと…とじっとする

 

これらはついついやりがちですが、実は逆効果になることも多いのです。(私も、苦い実体験あり…。。。)

極度のあがり症と付き合ってきた20年間

私自身も楽器を吹く時は、極度のあがり症。

指揮の時は実はそこまででもないんですが、トランペットを吹く時はかなり極限状態になります。

ただ、過去に地を這っていたような、前が見えない暗いどん底の時期を思い出せば、今はずいぶん良い状態に整えられるようになりました。少しずつですが、パフォーマンスを発揮できる時も増えてきたように感じます。

ここ8年間のアレクサンダーの学びは確実に実を結んでいる実感があります。
緊張状態になった時、「選択肢がない」ことは、さらなる恐怖感に繋がる可能性があります。その状態の時に選択できる余地があるということは、どれだけ救いになることか…そして最近の本番でそれにたくさん救われました。

選択肢をもたらしてくれるのが、アレクサンダーテクニークの良さの1つです。


それと、17年続けてきている心理学の学びもいつも強力な助けになってくれています。
とっさに自分の中で自分にどのような声かけをしているか、その声かけによって行動も変わるのです。
 *とっさに頭に浮かんできている考えを自動思考といいます。

対峙すること自体が恐怖で、真正面から見ることさえできなかったのに、相当な進歩です。

実は、「緊張やあがり症が克服できたわけではない道半ばの自分が、緊張のことを発信するのってどうなんだ、、」と長らく発信を躊躇したり、講座開催を何度も延期してきました。

それについて考えつづけていましたが、道半ばでたくさん勉強して試してきたからこそ、伝えられることもあるな、と。

最近はそんな考えになってきました。

今までの思考錯誤や苦悩、生徒さんとのレッスンで新しく得た経験や知見、全部を詰め込んで、

2024年 緊張・あがり症の人のための実力発揮プログラムをやります!!

人数限定でじっくり開催予定です。
内容に関するご質問など、遠慮なくメッセージくださいね。


個人レッスンの中で緊張・あがり症とじっくり向き合って、どんどん変わっている方もたくさんいらっしゃいます!
本気で変わっていきたい方、どうぞ気軽にご相談ください。