管楽器のためのブレス徹底解説⑥実践編【しなやかな呼吸のための脚と胴体の使い方】

呼吸

 

前回の記事では、 脚と胴体の関係性で呼吸が変化するという内容を解説 しました。

 

今回の記事では、具体的な実践方法を解説していきます。

楽器を用意できる方は、ぜひ演奏しながら試してみてください。

 

以前の記事はこちらから

呼吸解説シリーズ

第1弾: 管楽器のためのブレス徹底解説①導入編【呼吸プチクイズ4選】

第2弾: 管楽器のためのブレス徹底解説②準備編【息を吸う体の仕組みをひも解く】

第3弾: 管楽器のためのブレス徹底解説③知識編【息を吸う時に起きる動き】

第4弾: 管楽器のためのブレス徹底解説④実践編【息を吐く時に起きる動き】

第5弾: 管楽器のためのブレス徹底解説⑤知識編【脚が管楽器の演奏に深く関係するお話】

 

 

今回の内容は、体幹の使い方に重点を置いています。

過去に弦楽器の方で、体幹や股関節の使い方を変えたら腕や指が楽になった!という方がいらっしゃいました。
興味をもっていただけたらぜひ試してみてくださいね。

 

【実践その1】股関節を自由にしておくためのアイデア

おしりの骨に助けてもらう

 

おしりの骨と書いたものは、イスに座っておしりの下に手を当ててみるとさわることのできるグリグリした大きな骨のことです。 座骨ざこつ といいます。

 

 座骨で座ることをいろいろ試してみると、脚の自由度が格段にあがって、股関節が自由になります。 

 

やってみよう:【股関節ロック解除】と【カラダのバランスの観察】

こんな動きを試してみましょう

1. イスに座り、おしりの下に手をあてておしりの骨(座骨)の位置や形を確認します。

2. この座骨をイスにグリグリする感じで骨盤を前後左右に動かしてみます

 *おしりで円をえがくような感じです。

 *股関節がよく動き、背骨の下の方も上の方もよく動いているのを観察してみてください。

 *腹筋もそのたびにバランスが変わります。

3. 座骨の上でゆらゆらしながら、上体が座骨にのっかっているのを感じて、前側も後ろ側もストレスが少ない心地よいところを見つけてみてください

4. 一度そこで楽器を演奏してみます。ゆらゆらしていてもOKです。

 

【実践その2】呼吸筋をパワフルに使うためのアイデア

腹筋と股関節の柔軟性を手に入れて、しなやかな呼吸に変化!

やってみよう:【座骨の上でゆらゆら】したときの【腹筋たちの観察】

こんな動きを試してみましょう
  1. お腹に指でツンツンふれてみて、腹筋の張り具合(かたさ・やわらかさ)を確認してみます。
  2. 上体を前に倒したり後ろに倒したりしながら、お腹ツンツンを続けます。横やななめ方向にいってもOKです。
  3. ツンツンしたお腹はどう変化しましたか?かたかったりやわらかかったり変化があったでしょうか。
  4. 前側のお腹が適度にやわらかいポイントが見つかったら一度そこで楽器を演奏してみます。ゆらゆらしていてもOKです。

 

実験した結果、吹き心地はどうでしたか?

いつもと違ったり、イマイチ変化がわからなかったりいろいろ感想をもっていただいたかと思います。

 

筋肉がかたくなるということは、筋肉が収縮しているということ、つまり筋肉を使っているということです。

股関節を動かして上体のバランスを変えてみただけで、ずいぶん腹筋の張り具合(かたさ・やわらかさ)が違うことに気づいたのではないでしょうか。

 

 実はこれが非常に大きなポイントになります。 

 

姿勢を維持するために腹筋を使うと、呼吸筋たちが動きにくくなる可能性がある

実験の中で多くの人は上体を後ろに倒したときに、お腹のかたさを感じたかと推測しています。

お腹がかたくなったということは、 後ろに倒れないように腹筋を使って上半身を支えているということになります。 

 

腹筋は息を吐くために使いたい筋肉です(過去の記事で解説しています)。

 

今回は、表面の筋肉(腹直筋:シックスパックのこと)をさわって実験をしました。

実験のように上体を後ろに倒しているときは、前回の記事でも登場した大腰筋(*)も体の奥深くでしっかり働いています。

(*)背骨の下の方から脚の骨にくっついている大きな深層筋(インナーマッスル)

 

以上のことからまとめます。

姿勢を維持するために上体を後ろにそらしすぎると起こる現象の例

  1. 吐くときに使いたい筋肉たち(腹筋群)が先に使われてしまっていてもったいない
  2. 腹筋群を使ってしまうと、呼吸のために生き生きと動かしたいはずの肋骨が動きにくくなる
  3. 大腰筋が脚と背骨を引っ張ってしまって、肋骨や吸うための筋肉(横隔膜など)に影響してしまう可能性がある

 

【まとめ】股関節の柔軟性は呼吸に影響します

ブレス徹底解説講座5回目、6回目では以下の内容について解説をしました。

  • 胴体と脚の関係性が呼吸に関係すること
  • 股関節の柔軟性が呼吸筋(腹筋や横隔膜)に関係すること

 

私自身の経験ですが、【脚と胴体の関係性が呼吸に関わる筋肉の使いやすさに大きく影響すること】を知っていろいろ実践をすることで、吹奏感にも音の響きにも大きな変化が感じられました。

 

そして副次的ではありますが、股関節の柔軟性や背骨のバランスなどに意識的になりながら、日々の生活やパソコン作業をしていたら、ラッキーなことに腰痛からも解放されました。

 

パソコンや家事をするときの姿勢については、たくさん探求を重ねてきたので、また別記事にしたいと思っています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 


 

レッスン受付中です。

呼吸シリーズで実践してみたいことがある方、やってみたけどよくわからなかった方、ぜひどうぞ!

 

個人レッスン

 

 

オンラインレッスン

 

トレーナー・コーチング